周りが気になる!そんな人こそ鈍感さを味方につけるべき理由

感情の取り扱い方

 

“鈍感”という言葉を聞くと察しが悪い、
空気を読めないとか ネガティブなイメージがあるように思います。

私も以前は空気の読める人間になりたくて、
周りの雰囲気に必死にアンテナを張っていました。

ですが、空気を読めば読むほど自分のしたことに自信が持てないし、
仕事も効率が落ち、踏んだり蹴ったりでした。

そんな時に、鈍感さを味方につけるという
私にはあり得ない発想に出会ってしまったのです。

その理由を知っていただくと、
もしかするとこの“鈍感”という言葉を
ネガティブに感じていらっしゃる方も
そうでないと思ってもらえるかもしれません。

今回は鈍感さを味方につけるべき理由 について
話してみたいと思います。
最後までお付き合いいただければ幸いです。

周りの目を気にしすぎてやりたいことが全くできていなかった頃

私は以前、学校の先生をしていたとき、
ベテラン先生の目ばかり気にしていました。

経験の無い自分が考えることは、
浅はかで、価値がないと思っていたのです。
ですので、当時はその先生方と全く同じことをしていれば、
仕事はどうにかこなせると思っていました。

しかし、仕事も慣れてくると、自分が学んできたこととは、
違うやり方に多少の疑問を感じるようになったのです。
「それは昔の教え方だよなぁ。」
「あの子にはもっとこう声かけしたらいいのに。」

そんなことは頭の中で思っていても、口には出せません。
だって、私よりは段違いに経験の差があるのですから。

そして、何よりも苦手だったのが、職員会議です。
職員会議で学校行事などの提案をするとき、
責任者が一旦、事前に担当の先生を集めて話し合いをします。

その話し合いの時、先生方は多忙なので、
「去年の提案を美和子先生なりにアレンジしたら良いよ。」と丸投げされます。
もちろん、議題に上げる前は担当の先生方に一読はしていただきます。

しかし、いざ職員会議に上げると、みな渋い顔。
見ていただいたはずの担当の先生から、質問の嵐。
当時の私は、予想外の展開に会議中テンパってしまいます。

同じような失敗をするまいと、今度は自分の考えは入れず、
例年にのっとった提案をします。
すると、今度は「去年は、こういう所がイマイチだったんだよねぇ。」
心の中で叫びます「どないせぇっちゅうねん!!」

胃腸炎をきっかけにカードセッションを知る

こんな毎日を送っていると、先輩方にお伺いをたてにいくだけで、
胃が痛くなるのです。

机上の荷物の隙間から、先輩の様子を伺います。
ペンを持つ手が止まった瞬間を見計らい、
偶然を装い話しかけます。

言われた通りにやると「少しは自分で工夫して考えてみて。」
自分なりに考えてみると、「言われたことだけこなせばいいのに。」

とうとう胃の痛さがピークになり、病院へ行くと胃腸炎とのこと。
それもストレス性の。
まぁ、そうでしょうね。と、私は驚きもしません。

そんなときに、友人がSNSでオラクルカードのセッション
を受けた話を上げていました。
写真に写っているカードの絵柄がとても綺麗で
占いとか特別興味の無い私でも何だか惹きつけられました。

そのオラクルカードが気になった私は、友人からその先生を紹介してもらいました。
少し遠方でしたが、他でもないこのカードを見たい一心で
県外まで行ったのです。


先生のサロンのドアを開けると、お香のいい匂いがします。
出てきた方は意外と普通のお姉さまでした。
もっといかにもな雰囲気をまとった人を予想していたのですが。

カードの一枚にあった鈍さをプラスに変える方法

特に悩みを聞かれるわけでもなく、
「今の私に必要なメッセージは?」 の
問いかけで1枚のカードを引きました。

引いたカードは「Dullness(鈍さ)」というカードでした。
意味を聞くと、「他の考えに対して鈍い」
「素早く行動できない」といった面があるとのこと。

このカードを目にした私は、
色合いも華やかでないこのカードに心が重くなります。

「あぁ、それって今の私そのものよね。」

しかし、先生は続けてこうも言いました。
「“鈍さ”は目標に向けて動くためのぶれない信念ともなるのよ。」
「真っすぐ行きたいってときに、一々周りの声を聞いてたら、
ジグザグになって回り道になっちゃうでしょ。」
「あなたはその人じゃないんだから、言われないことまで、
気にするだけ時間の無駄よ。」

空気が読めて仕事のできる人間になりたかった私は衝撃でした。
先生は、 「鈍いという言葉そのものを聞くと、
私たちはネガティブな意味に捉えやすいのよね。

でも、物事にはすべてネガティブな面と、
ポジティブな面の両方存在する。
今回のあなたへのメッセージは“鈍さ”を
色々な意味で捉えてみるといいかもね。」

その時はちょっと難しいと感じましたが、
話ができただけでも少しスッキリしたのです。

気にすることを言われた時にカードを思い出しあえて鈍感になってみる

先生の言葉に勇気づけられた私は、
忘れないようにこのカードを携帯電話の待ち受けにしてみました。
不思議と、待ち受けにするという行為だけで、
何だか自信がついたような気がします。

しかし、いざその場面になると、まだまだ胃がキリキリします。

そんな中、自分のクラスのYくんにふと目がいきます。
彼はお調子者でけんかっ早く、裏表のない子どもらしい子どもです。

授業中でも元気に手を上げ、
間違っていても気にせず、笑いに変えられる。
そして、自分の思いが上手く伝えられず他の子とケンカになるのですが、
すぐに仲直りして、一緒に遊んでいるのです。

良くも悪くも目立つYくんに手を焼いていた私だったのですが、
子ども達の中では意外と人気があるのです。

そんなYくんを見ていると、周りの目を気にして、
子ども達に ベストを尽くせない自分が馬鹿らしくなりました。
「私が時間と手間をかけるのは会議資料じゃない」と気づいたのです。

今までは、仕事は何でもきちんと丁寧にこなさないといけないと思っていた私は、
終業後はいつも残って仕事を仕上げていました。
それを仕事熱心だと勘違いしていたのです。

そこで私は鈍感さを意識してみました。

会議のとき、意見が出ると、
「○○先生、ご意見ありがとうございます。
私では一人で考えて、また直すことになると面倒なんで、教えてください。
良ければ何か良い資料も持っていませんか?」

やってみたいことがあれば、
「この教え方、試してみたいのでやりますね。
いい感触だったら、教材お貸ししますね。」

以前の私なら図々しくてとても言えないと思ったことを言ってしまいます。
しかし、他の先生たちからは特に何も言われないどころか
協力までしていただきました。

何だ、こんなものか。
意外とあっけなかったのを覚えています。

私のように気にしすぎる人は鈍感さをうまく使うことが生きやすくなる鍵

ある時、お客さまからこんな相談を受けたことがあります。
「私、多分職場の人から仕事できない奴と思われていると思います。
自分の実力が発揮できず苦しいのです。」

詳しく聞いてみると、職場で気を遣いすぎて、
報告や相談のタイミングが遅れるとのこと。
今報告すると迷惑だと思い、後ですると遅かったみたいだし、
聞きたいことでも今していいのか、後でまとめてから聞いた方がいいのか、
とにかくタイミングが悪いようです。

この話を聞くと、「あなたは昔の私か?」と心の中で抱きしめていました。

そこで私は彼女に言います。
「昔の私と全く同じです!私はある方法でだいぶ楽になりましたよ。」

聞きたくてたまらないといった彼女に私は続けます。
「少年漫画の主人公になったと思ってください。少年ジャ○プの!」

彼女の反応はイマイチですが、
「タイミングに迷ったら、その主人公を思い浮かべてください。
彼らは鈍感だからこそ素直だし、最終的には仲間に慕われます。
周りを気にしてたらいつまでたっても冒険に出ませんよね?
敏感な主人公だったらラブコメも起こりませんよね?

で、元からNOを言われると思って言っちゃうと、
意外とOKだったりもします。
その時は心の中で“お前、意外と良い奴だな!”って言っちゃえばいいんですよ。」

その時は、私の勢いに圧倒されているような彼女でしたが、
後日嬉しい報告が。

少しずつではあるけど、気にせず言えるようになり、
意外と簡単なことに気づいたそうです。

今では鈍感さをもっと味方につけたいと少年漫画を読んでいるそうです。

まとめ

いかがでしたでしょうか。
私は、鈍感という言葉は苦手でしたが、
ネガティブの塊のようなこの言葉にも
ポジティブな面が あるということに気づくことができました。

そして、あえて鈍感な私を演じていると思うと心苦しさも感じませんし、
どのような反応が返ってきても受け止めることができます。

あれほど人の目が気になっていた私でもできたのですから
ぜひ参考にしてみてください。

最後までお読みいただきありがとうございました。